2012年12月2日(日)
「維新」原発政策混乱
石原代表の公約「見直し」発言
一夜明け幹事長が否定
小選挙区候補は「原子力賛成」
「脱原発依存」を公約に掲げる日本維新の会の原発政策が支離滅裂です。
11月29日の記者会見で配布された政権公約「骨太2013―2016」と「政策実例」では、「結果として、既設の原子炉による原子力発電は2030年代までにフェードアウト(徐々に消失)することになる」としていました。翌日になると石原慎太郎代表が「それは違う。公約は直させた」(30日の党首討論)と発言。衝撃を与えました。
また一夜明けると、日本維新の松井一郎幹事長が読売テレビ番組で、「値段、使用済み燃料の話など全部ミックスしていけば2030年代にはゼロになっていく」(1日)と述べ、前日の石原代表の「見直し」発言を否定しました。松井氏は、京都市内で記者団に、「(29日の)記者会見で発表したものが全てだ。見直しません」(1日)と明言。代表との食い違いが鮮明になりました。
維新が1日にJR新潟駅前で行った街頭演説では、小選挙区候補者から「原子力賛成」発言が飛び出しました。
同党新潟5区候補者・米山隆一氏は「橋下代行が来る前にいっちゃいますけど」と前置きし、「私自身はすいません! 原子力賛成!」と述べました。
「30年たったら技術は良くなる。ドラえもんも鉄腕アトムも原子力だ。もう30年かけて世界で一番安全な原子力をつくろう」と強調。原発政策をめぐる党内の混乱について、「フェードアウトだったり、しないといってみたり、どうなってんねんとみなさんも思っているだろう」と国民からの批判を懸念。「私たちはしっかり考えているから、はっきりしないスタンス(立場)になっている」などと、無責任な弁明に終始しました。
後から到着した橋下徹代表代行は、消費税の再増税を訴える一方、県内3カ所を回った演説で、結局一言も原発政策にふれませんでした。